スクランプ連盟

趣味の旅行、映画、パートナーと二人三脚のうつ病ライフについてゆるーく書いてます。

せみ。

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レンタルして来たDVDを見ています。今クレジットが出ているのは“八日目の蝉”という作品です。私はよく泣くひとですが、この映画は本当に泣けました。
ある事情で生後間もなく誘拐された主人公は4歳の時に無事保護されますが、実の両親との信頼関係をうまく築けず孤独に育ちます。20歳になった彼女の元に事件当時の知り合いだった人物が現れ、それをきっかけに自分の人生を壊した犯人の女性と過ごした5年の時間をたどって行く、というような話です。
私は両親が居ないので、彼女の気持ちには共感出来る所も多かったです。でもそれ以上に永作博美演じる犯人女性の思いが切々と胸に沁みました。悪い事をしているのは解っているけれど、1分でも1秒でもいっしょに居たい…。
幼い頃に別れた母の記憶はごく僅かしか残っていません。歌を教えてもらった事、手作りのおやつを作ってもらった事、買い物に出掛けた事、そして父の殺さんばかりの暴力から真夜中月明かりの下必死で逃げた事。私に最初に愛を教えてくれたのはやはりあのひとだったのかもしれません。恨んではいませんが遠いひとです。
蝉は地上に出てから7日間しか生きられないけれど、8日目の蝉が居たらみんなに置いて行かれて寂しいんじゃないかな、という台詞があります。私も母も8日目の蝉でした。
母は今幸福な家庭を築いて元気でいると風の便りに聞いています。