スクランプ連盟

趣味の旅行、映画、パートナーと二人三脚のうつ病ライフについてゆるーく書いてます。

えいが。

ドリームハウス”見て来ました。またまた知名度低ーい映画です。主演は“007”のダニエル・クレイグさん。“007”が嫌いなわけじゃないんですよ。流行りで作品を選んでいないだけなんですが…。この作品もまた、何で全く話題にならなかったんだろう、と思わせてくれるいい出来でした。ジャンル的にはサイコスリラーだという事ですが、私にはヒューマンドラマの印象が強かったです。あえて付け加えるならサスペンス、ですね。
この作品のタイトルには2つの意味がありまして、観客は見事に裏切られます。その意味を知った時、1回納得しちゃうんですよ。ああ、あれもこれもそういう事だったのね、と。でも何となくしっくり来ない。何かがまだあるような気がするんです。と言うのは、主人公が妻とふたりの娘を愛するあまりにも幸福なひとだから。彼が真実に戸惑うように、観客もひとかけらの疑問をぬぐえないんです。そこらへんの引っかけ方がとても微妙で面白かったです。
ダニエル・クレイグさんはどちらかというとクールなイメージが強い俳優さんですが、普通のお父さんも演じられるんですね。固定観念ぶち破られた感じがしました。同じシネコンの別の劇場で“007”も上映されていたのですが、そちらを見に行かなくてよかったとしみじみ思っちゃいました。彼が厚みのある役者さんだという事を確認出来ただけでも見る価値はあったというものです。
この作品はヒューマンドラマだと書きましたが、サイコスリラーの看板は間違っていると思えるほどに、愛情あふれる作品です。温かな家庭への尽きる事無い愛情無くしては成立しない話です。主人公の辿り着いた残酷な事実に、私は素直に泣けました。売り文句を信じて見に行ったら逆に拍子抜けしてしまう作品だと言えるかもしれません。でもいろんな意味で見る側を裏切ってくれる作品でもあると思います。裏切られてみてください、ぜひ。