スクランプ連盟

趣味の旅行、映画、パートナーと二人三脚のうつ病ライフについてゆるーく書いてます。

にひゃくえん。

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ちょっとナーバスな話をします。北陸で、市内の史跡巡りをしている時に起こったとても小さな出来事です。
私が移動の為に使ったのは主にバスでしたが、ある路線で乗車すると向かい側の席に座った年輩の女性が私のバッグをいきなり大声でほめてくれたのです。いつものスクランプが山ほど付いたバッグです。こちらもほめられて悪い気はしません。近寄って来て、もっとよく見せてや、と言うのに素直に従っていました。
ところがこの女性、だんだん悪ノリして来て、これもええなあ、これも欲しなあ、と言い出しました。ついにはこれ2つおんなじのあるやん、片っぽちょうだい、などととんでもない事を言い始めたのです。ほらほらバスのお客さんみんな笑って見てるよ、早くちょうだい、もうすぐ降りなならんから…。初対面の相手に普通の神経で言えますかね。
私にとってスクランプ達はみんな宝物です。最後までお断りを通すべきでしたが、あまりのしつこさにこれほど熱心に言うのだからきっとかわいがって下さるのだろうと思い、所望の子をお渡ししました。タダという訳にはいかないからとっといて、と女性が私の手に握らせて降りていったのは100円玉が2枚。200円です。
ひどく後悔しました。私にとっての宝物はタダ同然の値で無理矢理連れて行かれてしまいました。ものの価値はひとによって違うものです。彼女にとってはその程度のものだったのかもしれませんが、その程度にしか評価してくれないひとに私は自分の大切なものを渡してしまいました。バスの中で泣く訳にもいかず、じっと自分のしてしまった事を恥じて耐えました。
あの女性がスクランプを心からかわいがってくれるのを今はただ祈るばかりです。