こせい。

前にも書いた事ですが私の目にはアルファベットの小文字のエルにだけ色が付いて見えます。大文字や筆記体には反応しませんし、大文字のアイとの区別も出来ているようです。英文の論文やペーパーバックを見ていると、2色印刷のように文面がカラフルに見えます。ひとによっては全部の文字に固有の色が見える事もあるらしいですが、幸い私の場合は1種類だけです。脳の中で視覚に関連しているところと色覚に関連しているところが一部繋がっている為に起こる現象だそうです。
私は自分がひとと違っている事を自分の“個性”だと思う事にしています。“普通”でないからと言って“異常”だと決めつけるのは間違っていると思います。ちょうどオリンピックシーズンですが、選手達の身体能力はみんな普通ではありません。あれは異常か、と言ったらそうではないですよね。特に役には立たないし、ひとにほめられるような事ではないけれど、小文字のエルだけ黒に見えない私の目も今の私を形作る一部です。
友人にステージ4の乳がんの治療をしながら、障がいを持つお子さんを現在中学生にまで立派に育て上げて来たひとがいます。がんの治療に伴う薬の副作用は他人の想像を絶するつらいものです。自分の事だけで精一杯でも当たり前だと思います。お子さんの持つ可能性を限りなく伸ばして来たのは彼女の持つ強く、あたたかく、逆境に折れないしなやかな心あってこそだと思っています。
いろんな意味で、ひとは同じではありません。でもみんなそれぞれ違うから、いいのです。