スクランプ連盟

趣味の旅行、映画、パートナーと二人三脚のうつ病ライフについてゆるーく書いてます。

えいが。

のぼうの城”見て来ました。予習のつもりで主演の野村萬斎さんの前々作“陰陽師”を見てから行ったのですが、演技も風格もびっくりするほどグレードアップしていて驚きました。まさに圧巻。
主人公の“のぼう様”はなーんにも出来ないけれど人望だけは厚いという変わったキャラクターですが、野村さんは本職が狂言師だけに、この愛すべき主人公を生き生きと演じきってくれました。エンドクレジットで田楽振付指導を彼が自ら担当した事を知って、本領発揮だな、と思いましたよ。“陰陽師”ではイケメン系だったのに、“のぼう様”が徹頭徹尾お笑い系だというギャップのすごさも面白かったです。
歴史物によく出て来る有名武将には固定イメージがありますよね。例えば豊臣秀吉なら金ピカのサル。演じ手は“自分の”秀吉を表現するとともに観客の持っている既存のイメージも大事にしないといけない。だから時代劇は難しい。ところが“のぼう様”こと、成田長親なる人物は誰も知らない。野村さんの好演はその辺の事情も効いたかな、と思います。
後で知ったのですが、実はこの映画、公開予定は去年だったらしいです。水攻めの堤防が壊れるシーンでたくさんのひとが押し流される描写があったそうで、これは東日本大震災の被災の様子を思い起こさせる、という事で、かなり編集されたとの事。時の流れを待ってゆっくり寝かされた作品というわけです。私は地震の被災地に住んでいますが、大津波の被害を免れた事もあって、とても楽しく見る事が出来ました。日本人の心も復興に向けて回復して来ているという事でしょうか。