スクランプ連盟

趣味の旅行、映画、パートナーと二人三脚のうつ病ライフについてゆるーく書いてます。

えいが。

レ・ミゼラブル”見て来ました。この作品は子供の頃為になる本だからと原作を強制的に読まされて、どこがいいのかよく解らなかったという痛い思い出のある作品です(笑)。わりと最近スーザン・ボイルさんの“I dreamed a dream”を聴いてようやく読み返す気になりました。で、今作ですが、想像を遥かに絶する素晴らしい出来でした。今年いろいろ映画を見ましたが、この作品が1番の出来かもしれません。ファンテーヌ役のアン・ハサウェイさんが歌う“I dreamed a dream”は心震わす絶唱だと思いました。ファンテーヌは物語の上ではそんなに重い存在ではないのですが、あの歌ひとつで作品全体が食われてます。主役のジャン・バルジャンすらかすみます。この映画の本当の主役は間違いなくファンテーヌです。
この作品のメインテーマは“愛情”だと思います。ジャン・バルジャンを救ったのは司教の深い慈悲の心だし、死期の迫ったファンテーヌを救ったのも宿敵ジャベールを制裁の手から救ったのも、ジャン・バルジャンの心に司教のくれた思いやりの気持ちがあったから。そしてもちろん、コゼットに注がれたジャンの、ファンテーヌの、マリウスの深い愛。コゼットは幸せなひとだと思います。
それに較べて誰にも愛されなかったエポニーヌのかわいそうな事ったら…。命がけで愛するひとを守ってさえ、手に入れたのは同情でしかなくて。エポニーヌ役のサマンサ・バークスさんは舞台女優さんだそうで、しかもエポニーヌ役としては定評のある方らしいです。コゼット役のアマンダ・セイフライドさんの演技もよかったのですが、この対照的なふたりについては個人的にはエポニーヌの方を推したいです。ファンテーヌといい、エポニーヌといい、動乱の時代の中で切ない運命に押し流されて行く女性の演技がものすごく光っていました。
脇役がいいと主役も引き立つものですが、脇役が主役を完全に食っちゃう映画はこの作品が初めてです…。年の終わりになかなかの傑作に出会った気がします。
さて、今日は世間様で言うところの“仕事納め”ですので、今年のログインは今日で最後にしようと思います。正月休みという事で、来年の1月7日に戻って来る予定です。今年1年ありがとうございました。よいお年をお迎えください。