スクランプ連盟

趣味の旅行、映画、パートナーと二人三脚のうつ病ライフについてゆるーく書いてます。

すかーと。

4月の半ばに学生時代の恩師を囲む会が開かれる事になりました。先生はすでに退官されて郷里の九州にお住まいですが、近年奥様を亡くされて以来寂しくおられると聞いていました。ご子息が関東におられるのでそちらにいらっしゃる事があるそうで、先生のご都合の良い時にぜひ…という話がまとまったようなのです。パートナーの職場に幹事さんから連絡があって、そういう機会があるなら自分の妻も教え子のひとりなので加えていただけるとありがたい、という要望を出したところOKが出たとの事。とても嬉しい事…なのですが、少々困った事が。
その会の出席者の中にパートナーの仕事上かなり“えらいひと”が何人も名を連ねているらしいのです。私はパートナーの仕事に関わる“公式の場”に出る事をこれまで断り続けて来ました。だって本当にスカートの1枚も持っていないのですから。手持ちの服は全部メンズです。
私は綺麗なもの、愛らしいものは大好きですが、自分自身に関してだけはそういう概念が働きません。形容詞で言うなら“かっこいい”と感じるものしか身に付けたいと思いません。性的な事に関しては、自分は完全に女性だと思っていますし、“男装”しているつもりもないのでいわゆる性同一性障害ではないと思います。ただ、自分を他人に女性らしく見せたいという欲求がないのです。
ビジネスやフォーマルの場に自分の趣味嗜好を持ち込むわけにはいきません。思い切って“女性らしい”服を買いに行く事にしました。とにかくスカート、スカートを探そう!と頑張ってはみるのですが、これはどうだろう、と思うものを見つけても頭のどこかが本当にそれ着るの?とささやきます。ショッピングモールを1日かけてさまよい歩いて、おぼろに解って来た事がありました。どうも私は自分の女性らしさに対する自信を完全に見失っているようなのです。
パートナーに正直にその事を話してみました。パートナーは普段私の服装に対して意見する事は一切ありません。彼は何でもない事のように私を女性服の店に連れて行き、淡いピンクのワンピースを手に取りました。難しい事は考えなくていいから、例えばこの服に何色のトップスを合わせたらいいか答えて、と言うので、店の中にあった春物のジャケットを見てベージュかなあ、と答えました。彼はにっこり笑ってその服を手に取り、まっすぐレジに行きました。これを着て行くといい、と。
…かなり気恥ずかしいですが、そうする事にしようと思います。