スクランプ連盟

趣味の旅行、映画、パートナーと二人三脚のうつ病ライフについてゆるーく書いてます。

えいが。

マクベス観てきました。一般常識の範囲でシェークスピアのひとつくらいは知っておいても悪くない、と思ったのですが、事前に読んでいた原作はとんでもなく難解で、これほんとに映画になるの?と思っていました。ストーリーをかいつまんで言うと荒れ地の3人の魔女にあなたは王になる、と言われた地方領主のマクベスが妻にそそのかされて王を殺害し、スコットランド王になるところから始まります。王になったマクベスは不安に駆られて周囲のひとを次々と殺していきます。最初はイケイケだった妻も次第にマクベスの暴走に怯えるようになり衰弱死してしまいます。ついには逃げ延びた前王の王子に攻め込まれてマクベスは命を落とします。
ひとの欲望の罪深さとはかくなるものかと思いました。いったん大きなものを手にしてしまうとそれを手放さないために必死になるのは最近よくTVで見かける政治家のスキャンダルに通じるものがあるかもしれません。キリスト教7つの大罪の中にも強欲というのがあったと思います。
でも欲を持つことがいけないことかと言えばそんなことはないと思います。私達は自由主義経済を当たり前だと思っていますがそこに欲がなければそれは成り立ちません。競争という欲がなければ伸びようという意識、発展性は存在し得ません。より良い生活を望む私達一般市民も欲とは無縁でない以上マクベスのように飲み込まれる不幸と無縁ではないのです。その意味で非常に教訓的な作品だと思います。