スクランプ連盟

趣味の旅行、映画、パートナーと二人三脚のうつ病ライフについてゆるーく書いてます。

えいが。

映画聲の形観てきました。高校生のみずみずしさというか、感情のひだを1枚1枚指先でめくるような繊細さを見事に表現した素晴らしい作品だと思います。
小学生の頃将也は転校生の硝子に意地悪をしてしまいます。硝子は耳が聞こえないので反撃することが出来ずいつもただ困ったように笑っていました。硝子が気の強い女の子だったらいじめはあんなにエスカレートしなかったのかもしれません。ふたりはなにひとつわかりあえないまま硝子の転校でいったん別れることになりますが、そのあと将也はクラスのいじめの標的になります。将也は人間不信に陥り、ひとの顔をまっすぐ見ることが出来なくなってしまいます。 
私は元々将也は悪い子ではなくて、ただ不器用なだけだったのだと思います。近づきたいのに伝える勇気がなくて、つい気持ちとは正反対の行動を取ってしまう。感情的に未熟な子供にはよくあることです。クラスの他の子達に冷たい仕打ちを受けて、将也はようやく自分のやっていたことに気が付きます。それから5年後、高校生になった将也は硝子に会いに行きます。不器用ながらも手話を覚え、今度こそ硝子と「話す」ために。
私も高校生の頃クラスの子達とうまくいかなかった経験があるので、将也のコミュ障っぷりは笑えないところがありました。大学でもサークル活動をしていなかったせいで周囲と会話が合わなかったり。仲のいい数人を除いては将也と同じように顔にばってん付いて見えました。私がコミュ障を乗り越えることが出来たのは私よりもっとコミュ障の重い今のパートナーに出会えたからで、彼といっしょに頑張ったおかげで今ではひとなつこいと言われるまでになりました。ふたりでいればきっと何とかなります。将也と硝子を大丈夫、大丈夫と抱きしめてあげたくなりました。