えいが。
サイコパスSSケース3恩讐の彼方に観てきました。サイコパスという作品群の中の位置付けとしてはコウガミ(PCの辞書の中に「コウ」の字がありませんでした)さんがシーアンを去った後の話なので、劇場版の「続き」に当たります。
今作のヒロインはテンジンという女の子。中学生くらいかな。親の敵を取るために自分を鍛えて欲しいとコウガミさんに頼み込むのですが、部下の敵である槙島聖護を殺して何もかも失ってしまった彼はテンジンの復讐をよしとしません。一度ひとを殺してしまったら二度と以前の自分には戻れない、と諭すコウガミさんは師弟というより親子の顔でした。
皮肉な話ですが彼が殺した槙島は彼の心の中にずっと存在し続けていて、時折亡霊のように現れてはコウガミさんを苦しめます。コウガミさん、まだ幼さの残るテンジンに自分のような思いをさせたくなかったんだろうと思います。
菊池寛の「恩讐の彼方に」は私も読んだことがありますが、「許し」とは何なのか、人間の根底に迫る本です。テンジンの父親の遺品の中にこの本があったことと、消えない業を背負ったコウガミさんに出会えたことは、テンジンにとってとても幸いな「偶然」であったと思います。
今作の最後のセリフ、びっくりしました。日本に帰ろうって、今更執行官には戻れないだろうし、シビュラがコウガミさんを生かしておかないでしょう。これはTVシリーズ3期への布石なのかな、と感じました。