スクランプ連盟

趣味の旅行、映画、パートナーと二人三脚のうつ病ライフについてゆるーく書いてます。

えいが。

引っ越し大名!観てきました。参勤交代も大変だけど、このお話は「国替え」、つまり藩をまるごと一切合切引っ越しちゃう話です。「かたつむり」とあだ名が付くほどの引きこもり侍がある日突然「引っ越し奉行」に任命され、失敗したら死刑!と脅かされて渋々仕事にかかるのですが、全ての藩士とその家族を姫路から大分までの600km、徒歩で移動させるのだから容易なことではありません。おまけに費用は初期段階ではゼロ。お金借りるところからスタートしないと出発も出来ないわけです。

 

主演を演じた星野源さん、彼はなかなか面白い俳優さんですね。この話はひとりの侍の成長物語でもあるのですが、ひととの接触が少ない言わば「本の虫」だった彼がリストラ交渉までこなすやり手のネゴシエーターになるまで、ほとんど人格変更に近いほどの変貌ぶりを見せるところを無理なく気負わず演じているところ、感心しました。うちのパートナー、「恋ダンス」が流行っていた頃気に入ったらしく、まねしたい!とずいぶん言っていたので、私の脳内では星野源さんていうとトレンディ俳優、とカテゴライズされていたのですが、結構見直しましたよ。

 

えーと、ちなみにこの作品のベースになった松平家の国替え事情、本当にあった話なんだそうです。星野さんが演じた春乃介のような結果オーライっぽい家臣がいたかどうかはわかりませんが、昔のひとは何かと大変だったんですねえ。

 

 

追記:明日から月末まで夏休みをいただきます。しばらく見なくなりますがお見捨てなきよう願います。

えいが。

二ノ国(にのくに、と読みます)観てきました。魔法とファンタジーでいっぱいの二ノ国があるのなら一ノ国も当然ありまして、これが私たちの現実世界になります。いわゆるパラレルワールドものですね。ふたつの世界の間にはそれぞれもうひとりの自分というのが存在し、面倒くさいことにお互い命が「つながって」いるのです。だから、二ノ国で死ぬはずのひとがうっかり救われちゃったりすると、一ノ国で生きている「片割れ」が代わりに死ぬんです。…というのがこの話の大根幹なのですが、私実はこの理屈がどうしても理解できませんでした。片方が救われたのならもうひとりも救われる、ならわかるんですけど、なんか変じゃないですか?ともかくそういう前提で話がずんずん進んで行っちゃうのです。結局よくわからないまま最後まで観たせいか作品のアラばかりが見えました。

 

例えば、二ノ国の女の子の命を助けたら一ノ国の方の片割れが自分の彼女でした、なんて出来すぎじゃないですか?で、自分の彼女の命の方が大事だから、二ノ国の方には悪いけど予定通り死んでもらおうだなんていきなりヒール発言。シリアスなお話なのに劇場の最前列中央で笑いをこらえるのがとても大変でした。なんというか、「命の選択」っていう超重たい前フリの割には無理矢理感がたまらないというか。

 

監督がスタジオジブリでしっかり実績を挙げてきた百瀬義行さんで、音楽なんか世界的に評価の高い久石譲さんで、それでどうしてこうなっちゃったんでしょうかね。主人公の年齢が高校生っていう設定だったから、大人は頭柔らかくして観てね、ということ…なのかな。

えいが。

サイコパスSSケース3恩讐の彼方に観てきました。サイコパスという作品群の中の位置付けとしてはコウガミ(PCの辞書の中に「コウ」の字がありませんでした)さんがシーアンを去った後の話なので、劇場版の「続き」に当たります。

 

今作のヒロインはテンジンという女の子。中学生くらいかな。親の敵を取るために自分を鍛えて欲しいとコウガミさんに頼み込むのですが、部下の敵である槙島聖護を殺して何もかも失ってしまった彼はテンジンの復讐をよしとしません。一度ひとを殺してしまったら二度と以前の自分には戻れない、と諭すコウガミさんは師弟というより親子の顔でした。

 

皮肉な話ですが彼が殺した槙島は彼の心の中にずっと存在し続けていて、時折亡霊のように現れてはコウガミさんを苦しめます。コウガミさん、まだ幼さの残るテンジンに自分のような思いをさせたくなかったんだろうと思います。

 

菊池寛の「恩讐の彼方に」は私も読んだことがありますが、「許し」とは何なのか、人間の根底に迫る本です。テンジンの父親の遺品の中にこの本があったことと、消えない業を背負ったコウガミさんに出会えたことは、テンジンにとってとても幸いな「偶然」であったと思います。

 

今作の最後のセリフ、びっくりしました。日本に帰ろうって、今更執行官には戻れないだろうし、シビュラがコウガミさんを生かしておかないでしょう。これはTVシリーズ3期への布石なのかな、と感じました。

えいが。

サムライマラソン観てきました。安中藩てどこにあるのか私知らなかったんですけど、上野国って言っていたから多分群馬のあたりだと思います。江戸時代の末期にそこの殿様が遠足(えんそくじゃなくてとおあし、と読みます)と呼ばれる持久走大会を藩士に命じて行わせた、というのが史実にあって、それが日本初のマラソン大会なのだそうです。でも鎖国やってたから42.195kmを知らなかったのは仕方ないとはいえ、往復60kmって鬼ですよねー。心身鍛練のため、とか言うのは簡単ですけれど、普段さしたる運動もしてないずぶの素人がいきなり60km走れとか、無理です、無理。作品の中では幕府の隠密とか刺客とか物騒なのがいろいろ出てきて話を盛り上げるのですが、ベースの部分は本当にあった話なんですって。

 

隠密役で出てきた佐藤健さん、「るろうに剣心」の緋村剣心役がハマり役だったせいもあってか殺陣がものすごく綺麗でした。彼は現代劇もいろいろ演じていますけれど、「幕末」っていうキーワードが入るとやっぱり違いますね。この先どう成長していくのかとても楽しみな役者さんのひとりです。

 

あとですね、エンドロール眺めていて驚いたのですが、この映画の監督ってイギリス人のバーナード・ローズさんて方がやったんだそうです。しかも彼日本語わからないひとだったらしいですよ。これ知ってて今作観るのと知らないで観るのとではかなり作品に対する印象が違うと思います。日本の映画界もインターナショナルになりましたね。日本の監督さんもどんどん外国映画にチャレンジして名をあげていただきたいものです。

えいが。

翔んで埼玉観てきました。もうめちゃめちゃ笑いましたよ。埼玉県民心が広いですね。

 

この映画は同名の原作マンガがあるのですが、私たまたまそっちを先に読んでいたので、これ実写でやったらキャスティングに困るだろうなあ、と思っていました。原作者の魔夜峰央さんてボーイズラブで有名なひとなので、麗は男性が惚れるようないい男じゃないといけないし、百美はウブな美少年じゃないと作品世界が壊れてしまうんですよね。百美役に女性である二階堂ふみさんを持ってきたのは大正解だと思いました。男の子がかわいく見えるって中学生くらいまでですよね。元の設定は高校生だけど高校男子っていうと男脂臭しそうな気がします。魔夜さんの世界に入っていける男の子って相当ハードルが高いから、いっそ「男装の麗人」で行こう、と制作側が思ったかどうか知りませんが、私見としては大当たりだったのではないかと。麗役のGACKTさんは文句なし。彼ほど色気のある演じ手さんはなかなかいません。

 

映画は原作で描かれなかった「その先」のストーリーを語っていて、埼玉と千葉の有志が流山あたりで東京都内の通行手形の廃止を巡って衝突するのですが、なんかお互い無駄に大声出してるだけみたいに見えて今ひとつだったかな。この作品のひとつの「見せ場」だったと思うので、がっかりさせて欲しくなかったです。

 

あ、埼玉県民にとって茨城は腐った豆を食べてるところで、群馬は恐竜がまだいるところ、だそうです。栃木に至っては言及すらされませんでした。北関東はさらなる未開の地なんですね。腐った豆おいしいんだけどなあ(笑)。

えいが。

フォルトゥナの瞳観てきました。百田尚樹さんの原作作品だと聞いていたので公開前から楽しみに待っていたのですが、この作品正直言ってそんなに面白いと思わなかったんですよね。永遠の0(ゼロ)とか海賊と呼ばれた男とかすごく面白かったんですけどねえ。岡田准一さん大好きなのでちょっと過大評価してたかな、と感じています。うーん、百田さん原作の映画でラブストーリーって多分お初なので、向いてないのかなあ、と思ってしまいました。

 

死に近付いたひとの体が透けて見えるとか、死にそうなひとの運命を変えてしまうと自分の命が削られる、とか、設定はすごく面白いと思いました。でもね、たまたま担ぎ込まれた病院の医者とか主人公の彼女とか(あ!すみません、今更ですがこの日記完全にネタバレなので、これからこの作品を観ようと思っている方は読まないことをおすすめします。)、「フォルトゥナの瞳」を持っているひと、出会いすぎです。特殊能力のはずなのに狭い範囲に3人(笑)。

 

それと、「どうしてヒロインは彼がどういう行動を取るかを予見できたはずなのに見殺しにしたのか」がいまいちわからなかったんです。私うちのパートナーが透けて見えたら絶対にもっと必死になりますよ。

 

もうひとつ、彼が電車を止めたシーンで「弁慶の立ち往生」しちゃったんですが、あれがまた嘘っぽかったですね。神木隆之介さんは子役上がりとしては出色のいい俳優さんだと思っていますけれど、ちょっと株を下げたかな。

 

んー、この作品完全に設定倒れなので私はおすすめしません。特に百田さんのファンは他の作品観た方がいいですよ。

えいが。

サイコパスSSケース2FirstGuardian観てきました。マサオカのとっつあんと須郷さんの出会いの話です。私須郷さんてTVシリーズの2期で上司の青柳監視官を撃ち殺したやつ、というイメージが染みついていたので、あ、若い頃の須郷さんはこういう表情もしたんだな、とかなり新鮮でした。

 

えーと、この作品はTVシリーズ1期、2期、劇場版、劇場版3部作(←今ここ)のケース1が前にあって、実は結構な大作です。私とパートナーはTVシリーズ1期の第1話から久々に面白いアニメが出てきた、と高く評価してきました。今回の3部作は劇場を限定して公開されたので、TOHOはずいぶん下手に出たなあ、と思っていたのですが、さにあらず。小規模なスクリーンとはいえ入りは上々、ほぼ満席でした。

 

私は朱ちゃんのファンなので、今作彼女の出番がほとんどなかったのは残念でしたが、「男の意地」のぶつかり合いっていうのはなんかいいな、と思いました。「女の意地」だと無駄に感情入っちゃうんですよね(苦笑)。霜月監視官ってそんな感じじゃないですか?

 

とっつあんはTVシリーズの1期で殉職してしまうのですけれど、実にもったいないキャラクターだったと思います。